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ほめると子どもはダメになる 表紙
教育・子育て

ほめると子どもはダメになる

榎本博明 著 | 新潮新書

流行の「ほめて育てる」子育て論の問題点を、日米の文化的背景や家庭内の役割(父性・母性)の違いから鋭く検証し、日本の教育のあり方に一石を投じる書です。

  • 父とは文化を伝える者: 本来の父親の役割は、上下の関係(権威)を持って対峙し、自分が真に価値あると思う文化を教え込む(伝える)こと。
  • 表面だけの輸入は危険: 文化的な伝統という文脈を無視して、海外のやり方の表面だけを見て取り入れると、とんでもないことになる。
  • 叱らない弊害: 叱ることから逃げた結果、社会性や忍耐力を身につけないまま、ちょっとしたことで傷つきやすい大人が増えている。
『友達のような父親』はじつは父ではない。父とは子どもに文化を伝える者である。上下の関係があり、権威を持っていて初めてそれができる。『ものわかりのいい父親』は、父の役割を果たすことのできなくなった父と言うべきである。 — p.1
自由と、権利を行使したいなら、自立していなければならない。自由には責任がともなうし、権利には義務がともなう。自由は子どもが将来大人になってから獲得できるものである。
ほめて育てることで自己肯定感を高めることが必要だという声が広まったが、むしろちょっとしたことで傷つきやすい、忍耐強く頑張ることのできない子どもや若者が増えてきた感がある。 — p.110

『うるさい学生を注意できない』『月謝を払っているから教室にいる権利があるという学生がいる』という現代の歪んだ権利意識の記述に、強い危機感を覚えた。叱ることから逃げる親への指摘は辛辣だが、文化的な伝統を無視した安易な教育論の失敗として、非常に納得させられる。

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